エンタープライズにおけるAI活用の現状
先進企業は、いかにしてAIの実験段階からエージェンティックな運用に移行しているか

AIファーストの時代における優位性の獲得
AI革命が始まって数年が経過した現在、AIツールはさまざまな企業で普及が進んでいます。
Boxでは、4つの主要な市場と複数の業界の1,600名を超えるITリーダーを対象に、調査を実施しました。 結果は驚くべきものでした。83%がAIエージェントを導入していると回答し、80%がAIの導入による投資効果を実感していると回答しています。 しかし、顕著な投資効果を実感していると回答したのは、先進企業では半数に上ったのに対し、「AI導入の初期段階」にある企業では9社に1社の割合にとどまっています。 この差は、エージェンティックエンタープライズを可能にする3つの基盤、すなわち、「コンテンツ」「ガバナンス」「柔軟性」の有無によるものです。 本レポートでは、先進企業がどのような取り組みを実施しているのか、成果が出ている背景には何があるのかについて、詳しく解説しています。

AIが変える仕事、チーム、役割
さまざまな仕事がAIに置き換わるという懸念が広がるなか、エンタープライズAIの実態は、異なる様相を呈しています。 調査対象企業の58%が、今後3年間で社員の数を増やす見込みであると回答しており、先進企業に限っては、その割合は79%に達しています。 AIを活用する企業の未来は、縮小ではなく、AIにより能力が強化された人材を中心とする組織への再編にあるといえるでしょう。

企業のコンテンツがAIのボトルネックに
ほぼ全ての企業が、AIエージェントによる効果を得るには企業固有のコンテンツへのアクセスが必要であるという認識で一致しています。 しかし、多くのユースケースにおいて、AIエージェントとコンテキストを適切に接続している企業は、全体の3分の1にとどまっています。

AIの効果の拡大にはガバナンスが必須
企業のほぼ半数が、AIが関わる何らかのデータ漏えいを既に経験しています。過去1年間で、対策のフレームワークを確立している、あるいは、高度なフレームワークを確立していると回答した企業の割合は、24%から73%に増加しました。 ただし、監視体制には課題があります。承認された利用と未承認の利用の両方について包括的な可視性を確保している企業は全体の約3分の1、AIエージェントによる社内データへのアクセスについて正式な基準を定めている企業も全体の約3分の1にとどまっています。

AIを活用する先進企業は、プラットフォームの柔軟性を重視
回答者の68%が、単一のAIプロバイダへのロックインを懸念しています。 回答者は現在、平均で3.3種類のAIツールを使用しており、ヘッドレスエージェントの運用(ヒューマンインターフェースを介さずに、システム、API、データソースと直結させる運用)が重要または非常に重要と回答した割合は、79%に上っています。 先進企業は、ツール非依存のAI環境の構築を進めています。